MSNミュージック 特集 RADWIMPSの魅力 〜LIVE セプテンバー まだじゃん。〜

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◆ 2007年8月30日 “セプテンバー まだじゃん。” ライブレポート

 RADWIMPSは新しい世代を象徴するロックバンドである。もちろん本人達にはそんな意識はないだろうが、彼らの作り出す作品には、それまでの人達にはないみずみずしい魅力が凝縮されている。

 それは”型にはまらない”ということだろう。一つの音楽や特定のアーテイストの色を感じさせない。確かにオアシスやレッチリなど、時代の分水嶺となったロックバンドの影響はありつつもそこに止まっていない。

 例えば彼らの作り出す曲のスタイルは一定ではない。オルタナ系ロックからヒップホップ、70年代のポップスやフォークのメロデイもある。彼らの身体の中にある音楽が、一つの曲として形になっている。それでいて作為性も不自然さもない。メロデイと言葉と一体になって気持ちが流れ出してくるように曲もなり、バンドの演奏になっている。若いバンドで、これだけ一人一人の個性を重視している例も少ないだろう。

 型にはまらない、何風がない。それは、野田洋次郎が書く言葉にも顕著に表れている。初めて耳にすると英語と日本語のミクスチャー的な語感の心地よさに新鮮さを感じるはずだ。英語でも日本語でもメロデイにとけ込んでしまう自然なミクスチャー。それでいて英語にも日本語にも歌い込まれている等身大の実感。彼らの初めてのワンマンでのアリーナコンサートになった横浜アリーナでのリスナー・アンケートでも、「彼らの歌詞が好き」という感想が一番多かった。

 RADWIMPSの歌詞は、切ないくらいに優しい。人と人が出会うことやこの世に生まれてきたことの肯定。テーマはシリアスでも説教臭さや押しつけがましさは全くない。むしろユーモアを交えた繊細さには痛々しさを感じることすらある。手垢のついた言葉ではなく時には英語や造語も織り交ぜて、メロデイと一体になって心の奥にわき出している感情の泉を見せてくれる。野田洋次郎が現代詩の分野でも注目されているのは、そんな言葉のオジリナリティあればこそだ。


 野田洋次郎の声についても触れないといけないだろう。ロックボーカルの攻撃的な激しさや荒々しさの代わりに、聞き手の感情の襞を癒してくれるようなぬくもりがある。

 彼らは全員が1985年生まれ。高校生の時に出場したYOKOHAMA HIGHSCHOOL MUSIC FESTIBALでグランリを獲得している(Ba.武田、Dr.山口は別のバンドメンバーとして参加)。8月30日の横浜アリーナは、それから5年経っての、一種の凱旋的な意味合いもあった。2005年11月のメジャーデビュー以降、これまでのライブはZEPPクラス。いきなりのアリーナ会場だったにもかかわらず、1万をゆうに超える客席を惹きつけてしまった。

 去年は、アルバム二枚のリリースと二回のツアーと活発な活動を見せていたが、今年は4月8日のBLITZワンマン以来、横浜アリーナは、約5ヶ月ぶりのステージだった。

 感性溢れる新世代ロックバンド。RADWIMPSを聞いていると、若い世代が愛おしく思えてくる。

テキスト/田家秀樹