MSNミュージック 特集 LIFETIME MUSIC
LIFETIME MUSIC

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中学生の頃の自分が胸にいる。そいつと一緒に僕はこういう活動をしているんじゃないかって思います

MSN:箭内さんの作品で一番印象に残っているのが、資生堂「uno」のU.N.O.BANDのCMで、あの中の童貞臭というか、青過ぎる青春性がすごく興味深かったんです。

箭内:言われてみるとそうかも(笑)。U.N.O.BANDは、CMがCMの中にとどまらずにヒットチャートや音楽番組に出たりしたら面白いだろうなと。あとはお笑い芸人が本気でバンドを組むってのをやりたかった。普段ふざけている同級生のふと見せる真剣な表情っていいじゃないですか。で、もうひとつ自分自身がやりたかったことで「オンリーワンよりナンバーワン」ってメッセージを伝えたかった。オンリーワンって考えが一時期世の中に出たせいで世の中が相当ヌルく、ダメになったと思うんです。オンリーワンって素晴らしいけど、それはナンバーワンを目指して、でも誰にでもなれるはずはなくて、散々傷ついた果てにオンリーワンになるんだと思う。だから、最初から中学生や高校生とかがオンリーワンって言うのはどうかなと。小学校で全員が手をつないで駆けっこしてゴールみたいなことをニュースで見たりしてね。そうした風潮に喝を入れたいなって。

月間風とロック2006年7月号

フリーペーパー「月刊 風とロック」の2006年7月号。毎回「配布した途端になくなってしまう」という人気ぶりなので、今から入手するのは難しいかも?

MSN:ただ、広告っていうのは基本的にはクライアントの意向と商品について伝えるものであって、個人のメッセージを伝えるって時点でかなり異質ですよね。

箭内:マーケティングやクライアントの意向や経験とか、スキルから離れたところから広告を作りたいなと思っているんです。広告作る人って高いところから世の中を俯瞰(ふかん)してるんですけど、僕は例えば原宿を歩いている人たちが何を見たいかなっていう当事者の視点から作る。埋もれた視点って言ってるんですけどね。それが僕の広告のいいところでありダメなところ。だから童貞かは分からないけど、中学生マインドはありますね。「月刊風とロック」も〈金持ち中学生のスクラップブック〉って言ってますし。で、タワーレコードの広告は高校1年で童貞を喪失した後のドキュメンタリーなのかも(笑)。中学生ってモヤモヤして落ち込んで悩んで、自分はダメなんじゃないかって思ったりするけど、それとクリエイティブな部分がかけ算になったら面白いなって。

MSN:今お話に出たフリーペーパー「月刊風とロック」も箭内さんの思いがダダ漏れですよね。例えばインタビューの内容は雑談に近いし、インタビュアーの箭内さんも語りまくっている。通常の雑誌と違って混沌としてますよね。

箭内:だって僕の頭の中みたいなものですから(笑)。それと僕はミュージシャンのキャラや物の考え方とか言葉が好きなんです。ミュージシャンと僕がしゃべっているところに読者が参加している感じだったらいいなって。あとはこれの赤字がひどくてそのために広告の仕事を一生懸命やってるんですけど(笑)、経済社会の中で成立していないものが1年以上存在し続けている。その存在意味や意義は気に入ってます。

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