MSNミュージック 特集 Fairlife 特集

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◆ Fairlifeによる「パンと羊とラブレター」楽曲解説

1. 「風のスカート」 feat. 曽我部恵一
曽我部恵一さんのレコーディングは、11月21日。仮歌どりもなく、ぶっつけ本番。 当初は別のアレンジを用意していたのだが、レコーディング直前、 スタジオで、曽我部さんがギター一本でこの曲を歌っているのを聞き、その場でテンポとアレンジ変更。 曽我部さんのレコーディングスタイルは、彼がアコースティックギターを弾きながら同時に声も録音。 いわゆる一発どりの緊張感のもと、ミュージシャン達の魂が曽我部さんに結束し、奇蹟的なほど素晴らしい作品になった。 子どもを愛し、家族を大切にし、純粋に音楽や社会と向き合って生きている曽我部さんにこの歌をうたっていただけたことを、本当に心から感謝します。 大人の都合によって悲しい想いを強いられる子どもが一人でも減りますように…。

2. 「鳥のように消えた日」 feat. 奥田民生
何かに挑戦し続ける人への応援歌。奥田民生さんの歌の純朴な感じと、ビートルズを思わせる想像力豊かなサウンド。 当初、奥田さんのスケジュールの関係で、浜田省吾さんの仮歌にオケをかぶせて作っていた。 けれど実際に今度はそのオケに奥田さんの声を入れると、とても違和感があった。 それでもう一度、今度は奥田さんの歌のバイブレーションに合わせて、全面的にオケを作り直した。 今回の曲中、もっとも時間を費やした一曲。だけど、苦労した分、ついに完成した時の喜びはひとしおだった。 同じ歌でも、歌う人によってこんなにもバイブレーションが違うとは!  アレンジの難しさを痛感。小野修さんによる映像も、乞うご期待。

3.「淋時雨」 feat. 岡野昭仁(ポルノグラフィティ)
「モンスター」と対極にあるようなこの曲を、同じく岡野昭仁さんに歌っていただくことで意味があるように思い、お願いした。 イントロからいきなり飛び出す水谷公生のラップスティールギター。 何度も何度も何度も練習を繰り返し、やっと弾けた!努力の一曲。岡野さんの素朴さが、詩の純粋さと見事にマッチした。

4. 「I love you…」 feat.chie
初めてchieさんの声を聞いたのは二年前。それからずっと彼女の書く日記を読み続けた。 この詩が出来た時、真っ先に「chieさんにうたってほしい!」と思った。 この曲だったら、彼女にうたってもらえるかもしれない、と。そして、面識も全くない状況で、ドキドキしながら手紙を書き、送らせていただいた 。当時、彼女はブラジルからパリへと続く、長い旅の途中だった。その後、幸運にも日本でお会いすることが叶い、渋谷のカフェでお会いした。 だから、本当に歌ってくれることになった時は、夢のようにうれしかった。 日本語の歌をうたうのは初めてとのことだったけれど、 最初にchieさんのうたう「I love you…」を聞いた時の感動は、今でも思い出すと鳥肌が立つ。 佐藤允彦さんのピアノプレイもすごい! 加藤真一さんのウッドベースも、古川望さんのギターも、 そして浜田省吾さんのコーラスも、すべてがchieさんの声に向いている。 あー、ドキドキしたけど手紙を書いてよかったなぁ。声の存在感が素晴らしいので、音の味付けはきわめてシンプルに。 今回の12曲中、いちばん最初に誕生したのが「I love you…」。

5. 「二番目に好きな人」 feat. 我那覇美奈
前作に引き続き、ゲストとして参加してくれた我那覇美奈さん。いっしょにFairlife cafe 01を開催したり、 プライベートでもお付き合いの多かった我那覇さんに、 ふだん自身のオリジナルではあまりないタイプの歌をうたっていただいた。 ピアノは、ジャズ界の大御所、佐藤允彦さん。我那覇さんの歌を聞いて、ブエナビスタを彷彿とさせる渋いラテンタッチの曲になっている。

6. 「うつぼかずら」 feat. ゴスペラーズ
葉の先端に瓶の形をした袋を持ち、その中に消化液を蓄え、 液中に落ちた昆虫などの小動物を食べて生きる不思議な植物が、「うつぼかずら」。 理性と本能の葛藤を、そのまま女性の心理に置きかえている。たった一日しかなかったレコーディングの日 、ゴスペラーズの皆さんは、計10時間以上におよぶ過酷なレコーディングを、楽しみながら、全力投球でうたってくださった。 リズム&ブルースを基調とする曲に、アジアの匂いのする個性的なアレンジになっている。

7. 「woman」 feat. 古内東子
初対面の四人のミュージシャンが、あたかも長くバンドを組んでいたかのような、 息もぴったりの演奏と、古内東子さんのグルーブ感とが見事に一致。 強く優しく生きる女性の姿が、古内さんの声によって、とてもリアルに表現されている。 これまで、カバー曲以外では一切他の人の詩を歌ってこなかった古内さんが、 この曲を聞いて気に入ってくださり、このコラボレーションが実現した。 古内さん自身もまた、とても聡明でステキなwomanでした。

8. 「rock’n’roll farmer」 feat. 森広隆
常に最先端の音楽を表現し続け、熱狂的な支持を集める森広隆さん。 8ビートの曲を歌うのは初めてという彼が、見事に森さん流に曲を消化してくださった。 「私の中でこれは反戦歌のつもりなんだけど…」と言ったら彼は笑っていたけれど、きっと、同じメタファーを共有できたはず。 ベースもドラムもハーモニカもコーラスも、そして森さんのガットギターも、すべてカッコいい!  まるで、本当に納屋の中でうたっているような雰囲気になっている。 森さん、自分以外の人の書いた詩を歌うのは初めてとのこと。本当にありがとうございました。

9. 「七面鳥のうた♪」 feat. NUU
「クリスマスソングっていうと、なんだか恋人たちのおしゃれなものばっかりで歯がゆいよねー」NUUさんと初めてお会いした日、意見が一致した。 人間達の幸せの裏側で起こっている、七面鳥の悲劇。NUUさんの日記を読んで、彼女にならそれがわかってもらえるのではないか、と思いオファーした。 主人公の七面鳥は、己の運命を哀しんでいるのだけど、それをなんだか楽しんでいる風でもあり。 そんな複雑な感情を、NUUさんが独特ののびやかな声で、表現してくださった。 生きていく苦悩(だって、子どもを奪われておきながらも、 自分も実際には誰かの子どもを食べなければ生きていけない)を見事に表現しているサウンドは、 映画監督エミール・クストリッツァの率いるノースモーキングオーケストラからの触発。 明るさの中に物悲しさの漂うジプシーサウンドは、喜びと悲しみが背中合わせの人生そのもの。 チューバなど、ふだんあまり耳慣れない楽器が、いい味をかもし出している。 これぞ、アウトロー精神全開の一曲。来年(今年)のクリスマスには、ぜひこの歌を流行らせたい!!! そして、完成したら、敬愛するエミール・クストリッツァ監督に、この歌を聞いてもらいたいな。

10. 「モンスター」 feat. 岡野昭仁 (ポルノグラフィティ)
前作の参加以来、いっしょにお酒を飲む機会も多かった岡野昭仁さん。 夜、ひっそりとした教会にモンスター達が集結して演奏しているようなシーンを想像して作ったサウンドが、 岡野さんのピュアな歌声と、見事にコラボレーションできた。岡野さんの曲に対する想いと気合が、音と絶妙に絡み合っている。

11. 「詩人」 feat. 我那覇美奈
詩人にしろ、作曲家にしろ、画家にしろ、陶芸家にしろ、料理人にしろ、皆、ものを生み出すというのはとても辛く苦しい作業。 我那覇美奈さんとなら、この気持ちを共有できるのではないか、と思いオファーした。 涼しい風の吹くアコースティックサウンドに、マリンバとバイブがフィーチャーされ、切なさの中に温かみの感じられる曲になっている。

12. 「ソウルメイト」 feat. 浜田省吾
ロックシンガー・浜田省吾さんのもうひとつの顔であるリズム&ブルースシンガーとしての、秀逸された歌唱力。 浜田さんの、メロディーメーカーとしての幅の広さ、深さが感じられる。 切なさの中に力強さが混ざり合い、このアルバムのラストを飾るべき一曲になっている。


◆ Fairlifeより最後に…

今回参加してくださったゲストシンガーのみなさんとは、ほぼ全員と、レコーディングの後にお食事をする機会がありました。 また、外部のスタジオでのレコーディングの際は、できる限り、手づくりのおにぎり弁当を持っていき、 その場でみんなで一緒にごはんを食べてからレコーディングをはじめました。 そのことでより親交を深め、曲に対する想いなどをうかがい、 お互いに相手を理解することができたと思います。

制作期間中作ったおにぎりの数、約300個。
制作に参加してくれたミュージシャン、エンジニア、アシスタント、のべ100人。

また、ジャケットの制作にあたっては、イラスト、コイヌマユキさん、写真、中川正子さん、デザイナー、榊原直樹さんで、前回と同じメンバーでやっております。

十人のすばらしいゲストシンガーの皆さんはもとより、本当にたくさんの方々のハートが集結し、『パンと羊とラブレター』は誕生しました。

本当に心からの感謝を申し上げます。