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宇多田ヒカル インタビュー

タイトルも意味深な「テイク 5」。この曲には、あるものがモチーフとなっているそう。

宇多田ヒカル:実はこのオケが、『ULTRA BLUE』の最後に作ったオケだったの。『ULTRA BLUE』で『海路』っていう歌を最後にやったんだけど、『海路』を本格的にレコーディングに出す前の夜になって、私は『海路』っていう変な曲でいいのかってことを疑問に思っていて、何か違うのも作ってみようと思って作ったトラックが、これだったの。で、スタジオに持っていって聞かせたら、みんな「うん、これはこれでかっこいいけど、やっぱり今回は『海路』の方が合うんじゃない」という話になって、「じゃあ、これはボツ」みたいな感じでしばらく忘れていて、今回「ああ、そうだ、最後の方でネタも尽きてきたし、あれやろう」と思って、歌メロとか歌詞をつけた。で、出来上がったら想像以上にへんてこりんな曲になって、「何だ、このへんてこりんな曲は?」って。でも、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』みたいにしたかった。体が離れて死んじゃうみたいな、死んでお星さまになっちゃうみたいな。ジョバンニとカムパネルラをイメージして書きました。曲のタイトルは、5枚目のアルバムっていうのが、私の“テイク 5”という感じで。

アルバムの最後を飾る「虹色バス」。歌詞には、宇多田ヒカルの本音が込められているという。

宇多田ヒカル:アナログっぽい感じのかわいいのを作ろうと思って。遠足とか以来、バス乗ってねえなあと思って。子どものころの思い出とか、結構懐かしい感じで作った。(このバスは走るというより)飛んでいく感じ、どっかいろんなところに連れていってくれるみたいな。ちょっとビートルズっぽいの。結局最後は、誰もいない世界に連れていって終わっちゃう。そこが超本音なんだけどね。前半はちょっと明るい曲、楽しい曲、かわいい曲を作ろう思ってたんだけど、どうも最後ああなっちゃって、歌詞もそこだけできちゃって、「ごめん、ここからが本音です」「ここから本編でした」みたいな感じ。それが最後っていうのも、面白いんだよね。