奥田民生 インタビュー

ユニコーンでのデビュー以来積み重ねた音楽人としての歴史は、ついに20年を突破! オリジナル・アルバムとしては、実に3年3か月ぶりになる奥田民生の新作『Fantastic OT9』は、そのキャリアに裏打ちされた、重厚な聴き応えが圧巻だ。という深い円熟味を堪能できると同時に、民生作品史上でも一、二を争うアグレッシブさは、年齢を超越した爽快さを感じさせてくれる。この紛れもない痛快作の完成秘話を、媒体各社を招いて昨年12月に開催した“アルバム完成記念試聴会”での質疑応答から紹介しよう。民生らしいユーモアも交えて語った言葉には、今現在の自分自身が奏でるサウンドへの自信があふれていた。
取材・文/道明 利友
『Fantastic OT9』というのは、原田さん(マネージャー)がたぶん紙に書いてたヤツで、“あ、これでいいです”ってパッと決めたヤツだと思います(笑)。
━アルバムタイトルと、ツアータイトルにもした“Fantastic”の由来を教えてさい。
奥田民生:個人的にも今回は、曲作りから録音まで。そしてそのパフォーマンスも含めて非常に自分のなかでも完成度が高くて、“よくできた!”と思いまして(照笑)。レコーディングだと、“こういうイメージで”って、向かっても結果がそうならなかったりとかするのが、徐々にね、そのすき間が埋まっていくんですけども。それが、今回はすごい自分のなかで上手くいって、ウチのスタッフの原田さん(ユニコーン時代からの名マネージャー)と話してるうちに、“素晴らしいじゃないすか!”と。そんな、“素晴らしい9枚目”というような内容のタイトルでもいいんじゃないでしょうかということで…。『Fantastic OT9』というのは、原田さんがたぶん紙に書いてたヤツで、“あ、これでいいです”ってパッと決めたヤツだと思います(笑)。次に『OT10』って出す予定は、別にないんですけども(笑)。
━今回はかなりライブっぽい音になってるのかな、と思ったんですけれども、サウンドを作る上でいちばん意識されたことは?
奥田:最近はライブでやることも、曲作りの時点で考えてるんで、あんまりたくさん音は入れるつもりはないし。ギター、ベース、ドラム、キーボードが1個ずつあったとしたら、それで終われるもんなら終わりたいという音。そのぶん、その1個ずつに説得力を持たせたりしなきゃいけないので…。レコーディングっていうと、あとで色々編集したりできるっちゃできるんですけど、なるべくそういうことはやらないように。バーンと演奏した時点で、いいか悪いかっていうやり方に徐々になってきてて、今回はそれが強いですね。

