槇原敬之 インタビュー

形もないし重さもないけど、そういうときに支えてあげられるような歌を書いていきたいと思ってるんです。人生は変えられないけど、お手伝いはします、と。
MSN:随所にポジティブで力強いメッセージを感じますけど、そういう悲しみを乗り越えていく心の変化があったんですね。
槇原:けっこう時間がかかりましたけど。最初は言葉にできない気持ちばかりあふれてきて。それが言葉にできるようになるまで待って、待って…1年ぐらいかかりましたね。でも、そんな心の変化があって作っていったら、暗いどころか明るいアルバムになりました。
MSN:アルバム全体の流れもいいですね。インストの「introduction」で始まって、何気ない毎日の小さな幸せへの感謝を込めた「五つの文字」で締めくくる。その間に映画や短編集のようにいろんな形の幸せが描かれていて。この曲順はすんなり?
槇原:いつも曲順決めるのは大騒ぎなんですけど、今回はすんなり(笑)。たぶん、時間をかけながらゴールとしてひとつのテーマがあったからでしょうね。「五つの文字」の曲じたいは、いわゆるアルバムレコーディングの前に作ってた曲なんです。「めざにゅ〜」(フジテレビ系)のために書いた曲なので。でも、不思議なことにこのアルバムを予想して、しかも総括するような曲になりましたね。
MSN:いまはいろんなイヤなニュースであふれかえってますけど、このアルバムを聴いてると、世の中も捨てたもんじゃないなって気になってくるんです。
槇原:久しぶりに、いつでも聴いてもらえるようなアルバムができたかな、と思ってます。ふつうに流しても聴けるんですけど、辛いときや悲しいときも力になれるような。聴いてくれる人とは、友達みたいな関係でいたいし。ゴディバのチョコとか2段重ねになってて、食べ終わったと思ったら“まだ残ってた”ということってあるじゃないですか。困ったときにそんな感じで聴いてくれたら、まだ一粒二粒、役に立つものが残ってるような。形もないし重さもないけど、そういうときに支えてあげられるような歌を書いていきたいと思ってるんです。人生は変えられないけど、お手伝いはします、と。

