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スピッツ インタビュー

三輪:でもふと思ったんだけどさ、最近まで続けていることが、凄い不思議な感覚としてあったりするんだよね。10代の頃にギター持ってさ、田村や学生の仲間と文化祭バンドやったりしてさ。それが今もずーっと続いているような感じで、でも今はそれで生活をしているんだよね。…ふとした時に、言葉では言い表せない変な感じがあるよ。とても幸せなこととして受け止めているけどね(笑)。『あー、俺、スピッツやってるんだな』って、田村たちとヘヴィメタの下手クソなコピーバンドやってたのに、今はスピッツなんだから(笑)。それは凄い変な感覚にもなるって(笑)

田村:でも実はあんま俺らって、休養とかないままやって来てるよね? なんかずーっとやってて、ハタから見ていると動いていないように見える時もあるけど、ずーっとやってない?

崎山:ずーっとやってる。昔もそうだったし、今も実はずーっとやってる。

田村:だからどうした? って言われれば何もないけど、でも他のバンドとか見ていると、1年休養とかあるじゃない? 俺ら、半年も今までになかったよね?

草野:ないないない

三輪:活動休止とか、メンバーがひとり辞め、ふたり辞めとか。

田村:そういうのもないし、最長で休み2ヶ月とかか?

草野:2ヶ月も空けたことないんじゃないかなぁ。

三輪:ないよ。だからさ、『これ以上休んだらヤバい』って、戻ってくるんだよね、俺ら自身が(笑)。休めないの、ヤバいって思っちゃうから。そのクセ、細かい休みが欲しいってブーブー言ったりする、最近は。

草野:はははは。でも老後が楽しみとか、年くってからこういうことやろうとか思ってることは、多分やれないまま死んで行くんだよって言ってる人がいて。だから若い時にやっとけって(笑)。最近、特に今年40って思うと、そういうことも考えますよね。

崎山:スピッツは、本当にいい意味で変わらないんですよ。何回も言っているけど、誰かひとりむちゃくちゃ演奏が上手くてっていう、そういう状況もなく。みんなでどんぐりの背比べで下手なので、不思議に熱い感じが湧いてくるんだよね(笑)。その不器用に、熱い感じっていうのがね、ちょっと上手くなると、凄い楽しみをひとつ見つけたみたいな感じになるんですよ。それは今でも何も変わらずに、そう思っていて。その辺の感じがある限りは、大丈夫かなって思うんですよ。…ゴールがないみたいな、そういう感じ。

草野:「KREVAくんの曲に参加したり、ほかのミュージシャンのオケで歌ってみたりすると、やっぱスピッツは『ふるさと』――ベタな言い方になっちゃうけど、20年もずーっと一緒だから、ふるさとになってるんだよね。で、多分俺は、ふるさとに住み続けるんだろうなって感じていて(笑)。ないと困るんですよ、ふるさとは。そこに軸足置いてるから、いろいろなことがやれるし、音楽に限らずに、今の自分はそこに拠って立っているという。だから20年というのは、そのぐらい重みがあるとは、最近思っています。スピッツが今でもガキで居続けられるのも、ふるさとがあるゆえってことかもしんないなって、心の底で思えるんですよね、今は。

スピッツはこのシングル以外に、多くの新曲を抱えながら、最終調整に入っている。20年目の夏、彼らは彼らなりに、かつてなく精力的にライブを行うが、「その先」にも僕らにとって最高のプレゼントが待っているようだ。

新しい最高の果実のような音楽が、今のスピッツという籠の中にはたくさんある。その中で一番青く輝いていたのが「群青」、そしてオレンジ色に輝いていたのが「夕焼け」なのかもしれない。

取材・テキスト/鹿野 淳(MUSICA)