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スピッツ インタビュー

楽曲的には、アコースティックな音色が風に乗って、キラキラ輝くようなギターのストロークと、サビメロで、一気にジェット気流に乗って奇跡が耳の周りを飛び交うような、幸福のメロディが印象的な、透明感溢れるロックンロールである。三輪テツヤが描いてきた「UKギターロックと邦楽ポップのミッシングリンクを埋める」フレッシュにしてビンテージなギター・フレーズに、田村のベースと崎山のドラムの「実は重たくて獰猛な」グルーヴが合わさると、それだけでスピッツの魔法が降り注ぐことが伝わってくるシングル。「マサムネ以外が発するスピッツの王道感」が満ち満ちた、だからこそ、3声という歌唱の挑戦に打って出ることができた曲とも言えるだろう。

田村:大きな意味でのアルバム・レコーディングが、去年の3月ぐらいから始まって。その中でアルバムのフックになるような曲や、メンバーが楽しめる曲をやろうという時に出てきた曲なんですよ、「群青」は。

草野:まあ、実験です、実験(笑)

田村:そう。でも、次のシングルは、ミディアム・テンポの16でハネた、スピッツ王道のものじゃないものにしたい、って話はしていたんだよね。単純に、そういうのに飽きた(笑)。「ルキンフォー」もそうだし…聴いてくれる人が、スピッツの王道をそういうものだと捉えてくれるのは嬉しいけど、自分達はそういうものじゃないところへ、行こうとしないと

三輪:ギターなんかはね、ほんと前にやったような感じなんだよ

田村:全体的に、前にやったような感じなんだよね

三輪:そうだよ。「ウサギのバイク」から何も変わってないよ。でも引き出しは増えてるから、「ウサギのバイク」みたいな音色ではない。まぁでも、ほんと「ニノウデの世界」とか、あん時からスピッツは何も変わっていないんだよ

草野:歌詞もね、他のふたりが歌いやすいようにと思って作ったから、割とストレートな歌詞になっちゃったと思ってます。…う〜ん、内容は「ルキンフォー」に近いかなあ(苦笑)。もう40になるってことで、そういう新たなる旅立ちみたいな歌詞になっちゃいがちです、最近。もう、刹那な歌詞は作れないですね、おじさんになっちゃって。『明日はないと思え』みたいなことは言えないです。『明日はあるぞ!』って言いたいです

ここ最近、マサムネとインタビューで話していると、さかんに「年くったから」とか「もうオジサンなので」という台詞が乱発されるのだが、それに反して、彼が生み出すフレーズや歌詞のフレッシュな青々しさは、益々新鮮さを増している。これはマサムネの、天性の天邪鬼っぷりから生み出されるものでもあるのだが、それだけじゃないんだと思う。昔から「永遠」を願い、鳴らし、歌い、そしてその永遠を伝えるためにもがく様を、センチメンタルかつシャープに鳴らしてきたスピッツが、数々のブレイクやライブ、そしてバンドの成長と共に、本当の意味で「音楽は永遠を鳴らせるんだ」ということを身体でわかってきた、その結果としての「成熟と共に芽生えた青々しさ」が、鳴っているんだと思う。だからこそこの「群青」、そしてカップリングの「夕焼け」は、切なくも青々しく、しかも安定感あるポップとして僕らに届く。

草野:「夕焼け」は古いんですよ。それこそ「魔法のコトバ」と同じタイミングに作った曲なんだよね。「魔法のコトバ」も「ルキンフォー」も、割とミディアムテンポの曲で、カップリングに入る曲がアップテンポという形が続いていたので、逆にしたいなと思って(笑)。…歌詞は、なかなか言葉が乗らなくて苦労しましたね。シリアスな歌詞って苦手なんですよ、俺は。「メモリーズ」みたいに、言葉遊びがあるといくらでも作れるんだけど、バラードとか、ちょっとシリアスな風合いの歌詞ってなると。言葉を選ぶのがシビアになっちゃって、なかなかできないんですよ。『まだまだいい言葉があるんじゃないか?』って、シリアスな歌詞ほど完璧主義になってしまうんですね。