BONNIE PINK インタビュー

昨夏のシングル「A Perfect Sky」の大ヒットで、“夏女”のイメージがすっかり付いてしまったボニー・ピンク。とはいえ去年は、初の映画出演に初の単行本出版、それに紅白歌合戦に初出場…とエネルギッシュな活動が続き、一年を通じて大活躍した年となった。そしてこの夏、約2年ぶりとなるオリジナル・アルバム『Thinking Out Loud』を発表。前回同等にスウェーデンでのレコーディングになったが、10月の武道館公演に向けて、どんな作品になったか話を聞いた。
取材・文/伊藤なつみ
独り言も周囲に洩らすことで、実際に行動に移していく、もうちょっとそうしたほうがラクになれると思う
MSN:実は、マスタリング前のラフの音源を聞かせてもらっていたのですが、その時は音が少なくてガレージ・ロックぽい仕上がりの曲が多かったのに、マスタリング後の作品を聞いたら、音がしまっていて、ずいぶん印象が変わりました。
ボニー:曲によって音数が少ない分、1個1個の音を立てようと思ったんですよ。最終的なバランスはマスタリングで合わせようと思っていたから。マスタリングで時間がかかったけど、流れるように聴いてもらいたかった。曲ごとに感じられるデコボコ感をなくすように意識したし、曲と曲の間隔やつながりもかなり意識して作りました。
MSN:確かに聴きやすくなりました。ボニーさんの曲は1曲1曲が良質で口ずさみやすいポップソングだけど、実は音の選び方1つ1つにとても凝っているから、曲の印象もそれぞれ違う。だから曲順を決めるのは結構難しかったと思うんですよ。
ボニー:そうですね。ただ、タイトルは意外と簡単に決めましたね。「Broken hearts, citylights and me just thinking out loud」が最後に完成して、自分の中でフレッシュな曲だったからそこからタイトルを付けたんです。もっと話してしまうと、風邪をこじらして病気だった時の自分を一番物語っている。言葉にならない独り言を言っていて、早く声を出したくて悶々としていたから。ドラマの主題歌で「Water Me」を書いていて思ったんですけど、ドラマに出てくる人たちが、みんなどこかねじれていてコミュニケーション下手だったりして、それは現代人みんなに言えることなので、もっと人を頼ったり、自分から人とかかわりを持っていくべき、と思ったんです。だから、独り言も周囲に洩らすことで、実際に行動に移していく。もうちょっとそうしたほうがラクになれると思うから、こういうタイトルにしたんです。
MSN:「A Perfect Sky」があれだけ大ヒットしたので、プレッシャーがあったのでは?
ボニー:それはないです。今話したように、昨年末にNYへ行って風邪をもらって帰ってきたので、1月、2月と声が出なくて、かなり落ちてたんですよ。で、病んでた間に去年のことを忘れてリセットできたから、ある意味良かったと思います。去年のあの勢いのまま作っていたら、もうちょっと血迷っていたかもしれないけど(笑)。一気に今回は作りました。体が元気でないと健康な発想が浮かばないんだな、と思いながら…。

