レイ・マンザレク(ドアーズ) インタビュー

スタジオは私たちにとって実験室みたいなものだったんだ
MSN:例えば「ブレーク・オン・スルー」のあなたのオルガンのソロなんかも…。
レイ:インプロビゼーションだよ。「ハートに火をつけて」のソロもそう。予め考えて弾いたものではなかった。「ハートに火をつけて」のイントロは、その前からああいうふうに決めてやってたけど、ソロ・セクションに関しては私の自由であり、ロビーの自由でありというやり方だったんだ。決めてあったのはソロ・パートが終わったら頭と同じことを繰り返すっていうことだけだったね。
MSN:もうひとつ、今回聴いて改めて感じたことがありまして。ジム・モリソンというボーカリストはパッションに突き動かされて歌っている人という印象を一般的に持たれていますが、スタジオにおいては自身のボーカルをコントロールする能力に非常に長けていたんじゃないか、と。こういう音がきたらこう歌うという判断が冷静にできた人だったんじゃないですか?
レイ:ああ、まさにそうだ。みんなはジムを見て、どうかしちゃってたんじゃないかとか、悪魔が乗り移って歌ってたんじゃないかとかって思いがちだけど、でもスタジオにいる時、ジムはパーフェクトにボーカルをコントロールしていた。いや、確かにステージではワイルドでエキサイティングで、常軌を逸している感じがあったよ。けど、スタジオでは違った。スタジオは私たちにとって実験室みたいなものだったんだ。だから正確さが要求されたし、やっていることをみんなが正確に理解していないと、実験的なところまでは進めなかった。その上でインプロビゼーションも可能になったわけだ。ジムは自分の中のデーモンまではコントロールできなくなって、アルコールという悪魔の手に落ちてしまったところが彼の悲劇だったわけだが、スタジオでのボーカルのコントロール力は本当に完璧だったんだよ。

